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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Methodology

Space and planetary sciences

主成分分析とニューラルネットワークを用いた火星観測画像におけるダストストーム領域の自動検出

義忠 隆生,小郷原 一智

Segmentation of dust storm areas on Mars images using principal component analysis and neural network

Gichu R, Ogohara K

Mars, dust storm, segmentation, machine learning, principal component analysis

(左)Mars Global Surveyor搭載のMars Orbiter Cameraのglobal swath imageから切り出した,東経160°~200°,北緯25°~55°の領域のred band(575–675 nm)画像の例.論文に記載された前処理を施している.中央にダストストームが写っている.(右)本研究の提案手法により作成したダストストーム確率画像.白い部分がダストストーム”らしい”部分である.

本論文では,周回機から観測された火星画像中のダストストームの領域を自動で検出する手法を提案する.まず,火星の観測画像を小さなパッチに分割する.得られた多数のパッチから,主成分分析を用いて正規直交基底を求める.これらの正規直交基底の一部の線形結合によって,任意のパッチを近似できるが,その際,基底に掛かる係数を特徴量として識別器を訓練する.テスト用画像中の未知のパッチを,上記の正規直交基底で張られる平面への正射影で近似することにより,当該パッチをダストストーム,雲,地面のうちどれかに分類することができる.テスト用画像の個々の画素はダストストームと識別される多数のパッチに含まれ得る.その画素を含むダストストームパッチの数に基づいて,その画素がダストストームに含まれるか,その他のクラスに含まれるのか,を判断する.提案した領域分割手法を,receiver operator characteristics曲線およびその曲線下面積(AUC)で評価した.我々が目視で見積もったダストストーム領域を真だと仮定すれば,ダストストームに着目したAUCは0.947から0.978であった.2種類の閾値を用いることで,偽陽性画素を削除しつつ真陽性領域の大きさを維持すれば,適合率,再現率,およびF値はそれぞれ,0.88,0.84,0.86であった.本研究で用いられた識別器のチューニングパラメータは,ダストストームの正解率が最も高くなるように決定されている.これらのパラメータを適切に変更することにより,雲領域の自動検出のために識別器を調整することも可能であろう.

日本語原稿執筆者:小郷原 一智(滋賀県立大学 工学部 電子システム工学科)
(敬称略)