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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Research

Atmospheric and hydrospheric sciences

201711201711

混濁流の高解像度シミュレーション

Biegert E, Vowinckel B, Ouillon R, Meiburg E

High-resolution simulation of turbidity currents

Biegert E, Vowinckel B, Ouillon R, Meiburg E

Turbidity currents, Navier-Stokes simulations, Continuum formulation, Grain-resolving simulation

連続体アプローチの数値シミュレーション結果.t = 10における濃度の等値面c = 0.25 (Re = 6000, vs = 0.005, N = 2.09, m = 0.0744). この等値面図は,不安定化する高濃度流の包絡線の大局的な構造を明らかにしている.流れの先頭部には,横断方向に丘やクレストが連なるような形状として,ローブ・クレフト不安定がはっきりと見てとれる.この不安定は,後続する流れの本体部に伝搬し,当初横断方向に一様で2次元的であった大規模渦構造を不安定にする.最も大きな波長は発達初期に支配的であった不安定モードであり,ここで与えられたReynolds数で不安定を発生させるためには,この波長以上の幅を持った計算領域が必要となる.

粒子解像アプローチの数値シミュレーション結果.高濃度の粒子によって構成された底面上の圧力流れ.左の図は計算領域の瞬間的な断面を表しており,カラースケールは流速を,グレイスケールは粒子の速度を示す.右の図は時間および空間的に平均した流下方向の流体と粒子の速度を示す.

本論文では,2つの異なるシミュレーション手法を用いて混濁流の直接数値シミュレーションを行っている.1つめの手法は,連続体的アプローチ(continuum approach)である.浮遊砂濃度場を連続体として定式化して三次元Navier-Stokes方程式の直接数値シミュレーションを行い,海底地形や海底構造物,周囲水の密度成層と相互作用を行うような複雑な状況下における混濁流の物理機構を明らかにしている.2つめの手法は,海底を構成する細粒土砂の侵食や再浮遊の力学機構をより正確に表現するために,底面近傍や底面上の粒子内部のような高濃度領域における流れを表現する粒子解像アプローチ(grain-resolving approach)をさらに発展させたものである.このシミュレーションでは,詳細な衝突モデルを用いて粒子同志の相互作用を考慮しながら,それぞれの粒子の周りや底面上の土砂の空隙中のNavier-Stokes流を,埋め込み境界法(immersed boundary method)を用いて解いている.

日本語原稿執筆者:泉 典洋(北海道大学 工学研究院環境フィールド工学部門)
(敬称略)