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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Research

Atmospheric and hydrospheric sciences

Session convener-recommended article JpGU Meeting 2015

201610201610

多波長赤外観測による雲の放射・微物理特性の抽出

岩渕 弘信,齊藤 雅典,所 悠香,Putri N S,関口 美保

Retrieval of radiative and microphysical properties of clouds from multispectral infrared measurements

Iwabuchi H, Saito M, Tokoro Y, Putri N S, Sekiguchi M

Cloud optical thickness, Cloud-top height, Effective particle radius, Ice cloud, Optimal estimation method, Satellite remote sensing

雲の特性の推定結果:2007年4月1日3:55–4:00 UTCのニューギニア沖の雲系の観測事例

雲の巨視的,微物理的および光学的特性の衛星リモートセンシングは,さまざまなスケールの雲の時空間変動を研究し,気候・気象予測モデルにおける雲物理過程を検証するために有用である.衛星観測から複数の雲特性を推定する個別のアルゴリズムが存在するが,それらを独立に用いると,それぞれの推定結果の間に整合性がない.本研究では,複数の雲特性を同時に推定するアルゴリズムを開発し,衛星搭載の Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer (MODIS) による観測データに適用した.用いた物理モデルでは,センサーの諸元,地表と大気の状態,氷雲と水雲の微物理・光学特性,多層平行平板大気中での放射伝達を考慮している.海上晴天域における観測とモデル計算の比較によって,観測とモデルの誤差を見積もった.雲特性の推定精度を評価した結果,光学的厚さが0.1から10の範囲内のときには,氷雲の特性は高精度に推定されることがわかった.雲の光学的厚さが0.3以上のときには,雲頂気圧は不確定性10%以内で求められる.この手法を熱帯域の雲系に応用した結果,光学的厚さ5以下の場合,氷雲の光学的厚さは公開されているMODISの雲プロダクトとよい一致を示した.また,推定された雲頂高度はCO2スライシング法による推定とよい一致を示した.本研究で提案されたアルゴリズムを用いると,上層雲の端の光学的に薄い部分について従来よりも高い信頼性で雲特性の推定が可能となる.さらに,雲相(水または氷)の判別は,雲頂温度に関する制約を加えることで非現実的に暖かい(冷たい)氷雲(水雲)を導出しないようになった.

日本語原稿執筆者:岩渕 弘信(東北大学 大学院理学研究科)
(敬称略)