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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Research

Atmospheric and hydrospheric sciences

インドにおける季節別降水量の長期変動と年々変動の地域特性

福島 あずさ,金森 大成,松本 淳

Regionality of long-term trends and interannual variation of seasonal precipitation over India

Fukushima A, Kanamori H, Matsumoto J

Indian monsoon variability, Rainfall seasonality, Cluster analysis, Water vapor convergence, Low­level jet stream

夏季降水量の年々変動と鉛直積算した水蒸気フラックスの回帰係数

((a) インド南部の内陸域、(b)インド北部ガンジス平原周辺域、(c) インド南東部、(d) インド南西部沿岸域、(e) インド北東部、(f) 鉛直積算した水蒸気フラックスの気候値(1958-2013年))

本研究では、過去113年間(1901-2013)、と55年間(1958-2013)におけるインドの降水量の長期変動および年々変動を季節別に解析し、大気循環場との関係について考察した。季節別降水量の地域特性と、それに関連する大規模循環場の特徴を明らかにするため、階層クラスター分析によって半旬降水量の季節推移に基づく地域分類を行い、インドを7つのクラスター(地域)に分類した。それぞれの地域の季節別降水量は、どの地域においても明瞭な長期トレンドを示さず、長期変動よりも年々変動が顕著に現れていた。地域別に降水量と循環場の年々変動について回帰分析を行なうと、インド周辺の海洋上の大気循環場と、降水量の年々変動には明瞭な関係が見られた。特にインド洋上での南西風(南西モンスーン)とガンジス平野周辺域での南東風(モンスーントラフの活動)が強化されると、ガンジス平野周辺とインド南西部の二つの地域(CL3とCL6)の夏季降水量が増える傾向にある。一方で、南東部(CL5)と北東部(CL7)においては、夏季の南西モンスーンやモンスーントラフの活動と夏季降水量の年々変動に関連は見られない。南東部は、ポストモンスーン季に北東モンスーン(ベンガル湾での南東風)の強化と強い関係を示したが、他の地域は北東モンスーンとの関係がほとんど見られない。さらに北東部(CL7)の降水量の年々変動は、夏季モンスーンとも、北東モンスーンともほとんど関係していないことが明らかになった。

日本語原稿執筆者:福島 あずさ(神戸学院大学 人文学部)
(敬称略)