※Progress in Earth and Planetary Science は,公益社団法人日本地球惑星科学連合(JpGU)が運営する英文電子ジャーナルで,JpGUに参加する50学協会と協力して出版しています.

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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Methodology

Atmospheric and hydrospheric sciences

深層海洋環境再現のための深海用フロート塩分データの統合:手法とインパクト

増田 周平,長船 哲史,邉見 忠

Deep-float salinity data synthesis for deep ocean state estimation: Method and impact

Masuda S., Osafune S., Hemmi T.

Deep ocean, Argo float, state estimation

歴史的海洋観測データから見積もった、(a)投入された各深海用フロートの塩分バイアス、および(b)それらの平均的な鉛直分布。

深層昇温の発見など、深海での海洋環境変動が明らかになってくるに従い、深層での海洋観測の重要性が認識されるようになってきた。その中でも自動昇降型漂流ブイ(以下フロート)を活用した深海の持続的な観測網構築が提案され、いくつかの深海型フロートが開発・投入され始めている。これらのフロートは、これまでにない時空間的に密な深海データを取得することを可能とする有効なツールである。しかしながら、現行の深海型フロートによって取得された観測データ、特に塩分値にはバイアスがあることが知られており、全球的な観測網構築の一つのハードルとなっている。この論文では現行の深海用フロートから得られた塩分データからバイアスを軽減し、データ統合に活用する新たな手法を提案する。また、その手法を用いた深海用フロートデータ統合による海洋環境再現を実施することにより、フロートデータの環境再現性に対するインパクトを、南大洋とインド洋の特定海域において調べた。その結果、深海用フロートデータがその近辺の海域における海洋環境再現の精度を向上させ得ることを実証した。さらに、海盆スケールでの環境再現にどの程度の制御可能性を持つかについての考察も行い、将来の観測網構築に資する知見を提供している。

日本語原稿執筆者:増田 周平
(国立研究開発法人海洋研究開発機構 地球環境観測研究開発センター海洋循環研究グループ)
(敬称略)