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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Research

Atmospheric and hydrospheric sciences

Cバンドドップラーレーダーで観たインドネシア・ジャカルタにおける日周期降水南北移動:HARIMAU2010キャンペーン観測概要

森 修一,濱田 純一,服部 美紀,伍 培明,勝俣 昌己,遠藤 伸彦,一柳 錦平,橋口 浩之,Arbain AA,Sulistyowati R,Lestari S,Syamsudin F,Manik T,山中 大学

Meridional march of diurnal rainfall over Jakarta, Indonesia, observed with a C-band Doppler radar: an overview of the HARIMAU2010 campaign

Mori S, Hamada JI, Hattori M, Wu PM, Katsumata M, Endo N, Ichiyanagi K, Hashiguchi H, Arbain AA, Sulistyowati R, Lestari S, Syamsudin F, Manik T, and Yamanaka MD

Indonesian maritime continent (IMC), Land–sea breeze circulation, Diurnal cycle, Cross-equatorial northerly surge (CENS), Madden–Julian Oscillation (MJO), Cold tongue (CT)

Cバンドドップラーレーダー(CDR)で観たジャカルタ上空高度2kmにおける反射強度の南北変動.反射強度はスルポンCDRサイト(106.25°E–107.15°E)を中心とした東西100km幅で平均されている.(a)キャンペーン期間における日々変動,および(b)期間平均された日周期変動,を示す.各図内の水平実線はジャワ島西部観測範囲における平均的な海岸線(6.0°S),水平破線はプラムカ島(5.74°S)およびボゴール(6.58°S)の緯度を示す.また,(b)内の斜め破線はDRMMの平均的な推定移動速度であり,早朝(深夜)の北進(南進)が大よそ2 m s-1 (5 m s-1)であることを示している.

インドネシア海大陸(Indonesian Maritime Continent:IMC)のジャワ島北岸に位置するジャカルタの対流活動,特に日周期降水南北移動(diurnal rainfall Meridional March:DRMM)に注目し,Cバンドドップラーレーダーおよび多地点高層ゾンデ網を用いたHARIMAU2010キャンペーン観測を2010年1月16日から2月14日の間に実施した.

本キャンペーン観測期間におけるジャカルタは,マッデン・ジュリアン振動(MJO)に対応する活発な大規模対流域が通過した直後であり,MJO不活発期に対応していた.また,観測期間の始めには海面水温(Sea Surface Temperature:SST)の寒舌(Cold Tongue:CT)を伴う赤道越え北風サージ(Cross-Equatorial Northerly Surge:CENS)がジャワ海に侵入していた(CENS活発期:1月16-26日)が,その後CENSは徐々に後退していき(CENS遷移期:1月27-2月05日),最後にはCENSの特徴がほとんど見えなくなった(CENS不活発期:2月06-14日)

この間における代表的観測結果として,以下の3点が示された.1)ジャカルタにおける降水活動は,少なくともMJO不活発期においてDRMMの特徴(夕刻から深夜にはジャカルタ南部山岳域からジャワ海沿岸域へ北進し,逆に早朝から日中帯には沿岸域から南部山岳域へ南進する日周期南北移動)を持つ.2)DRMMは,主として「陸風」的な子午線循環により駆動されている可能性が高い(降水ピーク位置は陸風前縁部の発達後退と共に南北移動).3)ジャカルタにおける子午線方向の降水時空間変動は,ジャワ海上のCENSおよびCTの活動度により強く影響されている.

日本語原稿執筆者:森 修一(海洋研究開発機構 大気海洋相互作用研究分野)
(敬称略)