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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Research

Interdisciplinary research

201803201803

IODP第346次航海“アジアモンスーン”のサイトU1426,U1427,U1429を用いた日本海と東シナ海の火山灰・安定同位体統合層序

佐川 拓也,長橋 良隆,里口 保文,Holbourn A,板木 拓也,Gallagher S J,Saavedra-Pellitero M,池原 研,入野 智久,多田 隆治

Integrated tephrostratigraphy and stable isotope stratigraphy in the Japan Sea and East China Sea using IODP Sites U1426, U1427, and U1429, Expedition 346 Asian Monsoon

Sagawa T, Nagahashi Y, Satoguchi Y, Holbourn A, Itaki T, Gallagher S J, Saavedra-Pellitero M, Ikehara K, Irino T, Tada R

Japan Sea, East China Sea, Tephrostratigraphy, stable isotope stratigraphy, Integrated Ocean Drilling Program, Expedition 346, inter-site correlation

火山灰対比に基づく,日本海の浅海サイトU1427,東シナ海北部U1429サイトの底生有孔虫δ18Oの対応関係

統合国際深海掘削計画(IODP)第346次航海“アジアモンスーン”では,日本海の7サイト(U1422-U1427,U1430),東シナ海北部の近接した2サイト(U1428,U1429)から連続堆積物が採取された.第四紀の日本海堆積物は水深500m以深の全てのサイトで,数センチから数十センチメートルの明暗互層が特徴的にみられる.これらの堆積物記録は,アジアモンスーンや海水準変動といった広域的,全球的な気候変化に伴う,東アジアの環境変化を理解するのに役立つ.しかしながら,日本海の深海堆積物は第四紀環境変動の理解に不可欠な酸素同位体層序を構築することが容易ではない.それは,石灰質微化石が連続的に産出しないこと,さらに,半閉鎖的な日本海のδ18O変動が全球的なシグナルと大きく異なることが原因である.本研究では,日本海南部に位置する2つのサイト(U1426,U1427)と東シナ海北部のサイト(U1429)における火山灰層序を構築するとともに,有孔虫化石がほぼ連続的に産出する日本海の浅海サイト(U1427)と東シナ海のサイト(U1429)について底生有孔虫のδ18O記録を比較した.火山灰は,粒子組成,火山ガラスの主要元素組成と形状組成,重鉱物組成分析に基づき同定を行い,サイト間の対比や広域火山灰へと対比した.火山灰対比によって,日本海における顕著なδ18Oの負のピークが,東シナ海における氷期最盛期の正のピークに対応することが明らかとなった.さらに,複数の年代制約に基づく統合層序によって,過去110万年間にわたるサイトU1427の年代モデルを構築した.火山灰対比の結果から,日本海の浅海と深海サイトにおける堆積物の色相変化が,一部の区間を除いて,過去110万年間にわたって対比可能なことが初めて明らかになった.これにより,浅海サイトの過去110万年間にわたる同位体層序が本航海で得られた全ての深海サイトに適用できることとなった.

日本語原稿執筆者:佐川 拓也(金沢大学 理工研究域)
(敬称略)