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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Review

Atmospheric and hydrospheric sciences

201704201704

スーパーコンピュータ「京」を用いた高解像度全球非静力学大気シミュレーションの成果と挑戦

佐藤 正樹,富田 浩文,八代 尚,梶川 義幸,宮本 佳明,山浦 剛,宮川 知己,中野 満寿男,小玉 知央,野田 暁,那須野 智江,山田 洋平,福富 慶樹

Outcomes and challenges of global high-resolution non-hydrostatic atmospheric simulations using the K computer

Satoh M, Tomita H, Yashiro H, Kajikawa Y, Miyamoto Y, Yamaura T, Miyakawa T, Nakano M, Kodama C, Noda A T, Nasuno T, Yamada Y, Fukutomi Y

K computer, NICAM, intra-seasonal oscillations, Madden-Julian oscillation, tropical cyclone, global non-hydrostatic model

シミュレートされた雲の解像度依存性:水平格子間隔14 km、3.5 km、870 m。

本稿では、2011-2016年に実施された文部科学省HPCI戦略プログラムにおけるスーパーコンピュータ「京」を用いた非静力学正二十面体格子大気モデル(NICAM)による全球数値大気実験の主たる成果をレビューする。「京」は2012年9月から共用が開始され、HPCI戦略プログラムの5分野の研究の主たる計算機として利用された。HPCI戦略プログラム分野3「防災・減災に資する地球変動予測」のもとで、NICAMを用いた気候・気象シミュレーション研究を実施した。NICAMと「京」との連携研究により、次の3つの方向性の研究が推進された:1) 対流システムをより現実的に表現することが可能な、さらなる高解像度の全球シミュレーション; 2) 10-30日の延長予報を可能とする多メンバーによるアンサンブルシミュレーション; 3) 気候状態およびその変動を含む数十年積分。「京」が登場するまでは、NICAMによるマッデン・ジュリアン振動(MJO)等の季節内振動の研究は、個々の事例を現実的に再現する等の事例研究に留まっていたが、「京」による計算性能の飛躍的向上により、積分時間や水平解像度の向上に加えて、MJOの多数の事例を扱うことが可能となった。本研究プロジェクトにより、高解像度全球非静力学モデルによって季節内振動やそれに伴う熱帯低気圧の発生についての予測可能性が向上することが示された。km以下のメッシュの全球シミュレーション、数十年積分のシミュレーションの結果についてレビューするとともに、今後のポスト「京」コンピュータでの課題・展望についても述べる。

日本語原稿執筆者:佐藤 正樹(東京大学 大気海洋研究所)
(敬称略)