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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Review

Atmospheric and hydrospheric sciences

201610201610

山岳域における大気化学観測に関する総説

岡本 祥子,谷本 浩志

A review of atmospheric chemistry observation at mountain sites

Okamoto S, Tanimoto H

Atmospheric observation, High-altitude station, Long-range transport, Seasonal cycle, Long-term trend, Biomass burning, Anthropogenic pollution

本論文で議論した山岳域大気観測所の分布。丸印の観測所は本論文でデータを示した観測所を表す。ASK Assekrem, CHA Chiricahua NM, CMN Monte Cimone, GRB Great Basin NP, HPO Mt. Happo, ISK Issyk-Kul, IZO Izãna, JFJ Jungfraujoch, KVV Krvavec, LAV Lassen Volcanic NP, LLN Lulin, LQO La Quiaca Observatorio, MBO Mt. Bachelor Observatory, MKN Mt. Kenya, MDY Mondy, MLO Mauna Loa, NWR Niwot Ridge, PMO Pico Mountain Observatory, PYR Nepal Climate Observatory–Pyramid, SNB Sonnblick, TAR Tanah Rata, WHI Whistler Mountain, WLG Mt. Waliguan, YEL Yellowstone NP, YOS Yosemite NP, ZSF Zugspitze–Schneefernerhaus, ZUG Zugspitze–Gipfel. 三角印の観測所は本論文でデータを示さず議論のみおこなった観測所を表す。ARO Arosa, FWS Mt. Fuji, KSL Kislovodsk.

地球の気候や環境にとって重要な役割を果たす微量ガス成分やエアロゾル成分の自由対流圏中における変化および変動を把握し、その要因を理解することは、現在の大気化学研究における重要な課題である。山岳域の大気観測所は人為的な排出源から遠く離れているため、こうした地球規模のベースライン的変動を観測するのに適した場所である。それゆえ、山岳域における大気化学観測は、人間活動から排出された大気汚染物質や森林火災、砂漠から放出されたガス・エアロゾルの長距離輸送に関する研究や、全球および領域化学輸送モデルの評価にも用いられている。本論文では、反応性微量成分(例えば、対流圏オゾンやその前駆体である一酸化炭素、窒素酸化物、非メタン炭化水素)に着目し、過去および現在において、世界中で行われている山岳域での大気化学観測についてまとめた。観測手法やモデリングの発展により、ベースライン的変動や長距離輸送の気象学的メカニズムが徐々に明らかになりつつある。最後に、山岳域での大気化学観測の今後の方向性についても述べる。

日本語原稿執筆者:岡本 祥子,谷本 浩志
(国立環境研究所 地球環境研究センター)(敬称略)