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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Research

Solid earth sciences

201509201509

惑星ダイナモにおけるローレンツ力とコリオリ力の競合

Soderlund K M, Sheyko A, King E M, Aurnou J M

The competition between Lorentz and Coriolis forces in planetary dynamos

Soderlund K M, Sheyko A, King E M, Aurnou J M

Planetary dynamos, Core convection, Magnetic fields, Rotation, Magnetostrophic force balance

惑星のコアにおけるローレンツ力とコリオリ力の比を静的エルザッサー数 Λi と磁気レイノルズ数 Rm の関数である修正動的エルザッサー数で予測する。活動的なダイナモを有する太陽系の惑星や系外惑星に対する ΛiRm のおおよその範囲が示されている。Λi の範囲を表す線の左端のバーは観測された磁場強度に基づく値を示し、右端の矢印は上限値を示す。Rm の範囲を表す線両端のバーは値が制約されていることを示し、矢印はより大きい範囲を取りうることを示す。黒い丸は各惑星の最も確度の高い ΛiRm の値を示す。

惑星の磁場はコア内の流れによるダイナモ作用によって生成されている。流れを回転軸方向柱状にしようとするコリオリ力の影響、そして磁場との相対的な流れを抑制するローレンツ力の影響を受ける熱対流・組成対流が、コアの磁場生成過程を駆動している。惑星のコアではコリオリ力とローレンツ力が他の力よりも支配的であり、かつ、ほぼ同じくらいの大きさであると論じられている。われわれは一連の数値地球ダイナモモデルを用いて、ローレンツ力とコリオリ力の比を計算して、この仮説を検証する。われわれの結果によれば、この比は修正動的エルザッサー数Λd* = 0.77 Λi Rm−1/2 によって見積もられる。ここで、Λi は静的エルザッサー数、Rm は磁気レイノルズ数である。コア内の流れの速さと磁場強度の見積もりから、地球ダイナモはローレンツ力とコリオリ力の大きさがほぼ同じある磁気地衡流平衡にあると考えられる。木星の内部でもローレンツ力はコリオリ力の大きさと同程度であろう。逆に、土星、天王星、海王星、ガニメデ、そして水星のコアでは、ローレンツ力は相対的に弱いと考えられる。

日本語原稿執筆者:松島 政貴(東京工業大学 大学院理工学研究科
地球惑星科学専攻)
(敬称略)