※Progress in Earth and Planetary Science は,公益社団法人日本地球惑星科学連合(JpGU)が運営する英文電子ジャーナルで,JpGUに参加する50学協会と協力して出版しています.

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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Review

Space and planetary sciences

201502201502

下層大気からの入力に対するジオスペースの応答:CAWSES-IIタスクグループ4の成果

Oberheide J, 塩川和夫, Gurubaran S, Ward W E, 藤原均, Kosch M J, Makela J J, Takahashi H

The geospace response to variable inputs from the lower atmosphere: A review of the progress made by Task Group 4 of CAWSES-II

Oberheide J, Kazuo S, Gurubaran S, Ward W E, Fujiwara H, Kosch M J, Makela J J, Takahashi H

Geospace, Thermosphere, Ionosphere, Tides, Planetary waves, Gravity waves, Traveling ionospheric disturbances, Traveling atmospheric disturbances

下層大気の気象変動が太陽非同期の大気潮汐を介して中間圏や熱圏・電離圏の大気・プラズマに与える影響を、いくつかの人工衛星の観測に基づいて示した模式図。

それぞれの図は、Lin et al. (2007), Immel et al. (2006), Oberheide et al. (2006), Oberheide and Forbes (2008)およびDr X. Zhang and Dr. S. L. Bruinsmaより提供された。

大気圏-電離圏-磁気圏の結合が起こる成層圏から数千kmの高さにいたるジオスペースの変動に関して、最近10年間の新しい人工衛星計画や地上ネットワーク観測、大気全体を再現するモデルにより、パラダイムシフトがなされている。すなわち、この領域の状態は、下層大気の気象や気候と強く結びついていることが明らかになった。これは、地球周辺の宇宙空間の変動は、高緯度における磁気圏からのエネルギー流入や太陽の極端紫外線の変動のみによって駆動されているというこれまでの教科書的な概念を覆すものである。下層大気からのエネルギーと運動量を輸送する主要なメカニズムは、さまざまな空間・時間スケールの大気波動の生成・伝搬・消失過程や、電離圏ダイナモやプラズマバブルの誘起に代表されるこの大気波動の電離圏プラズマとの結合である。SCOSTEPのCAWSES-IIプログラム(2009-2013)のタスクグループ4の主要な課題は、気象現象に起因する大気波動に対して、そのジオスペースの応答や、その平均流との相互作用、電離圏への影響、そしてオーロラ過程など磁気圏からのエネルギー流入に起因する熱圏擾乱との関係を研究することであった。本論文では、CAWSES-IIの期間になされた研究の進展について、特に大気重力波、惑星波、大気潮汐波とそれらの電離圏への影響をレビューする。タスクグループ4でなされた科学キャンペーンにもふれるとともに、今後の研究の方向性も議論する。

日本語原稿執筆者:塩川 和夫(名古屋大学 太陽地球環境研究所)
(敬称略)