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Progress in Earth and Planetary Science

日本語Abstract

Review

Atmospheric and hydrospheric sciences

Session convener-recommended article JpGU Meeting 2013

201412201412

人工マクロポアによる劣化土壌における下方浸透促進と有機物貯留

森 也寸志,藤原篤志,山岸主門

Installing artificial macropores in degraded soils to enhance vertical infiltration and increase soil carbon content.

Yasushi Mori, Atsushi Fujihara and Kazuto Yamagishi

Macropore, Infiltration, Soil degradation, Carbon sequestration

圃場におけるマクロポア処理一年後に見られた植生回復.左がマクロポア区,右が対照区.

緑の濃さが違うことが明らかで,植物バイオマス,土壌炭素ともに大きな増加を示した.

土壌は陸域最大の炭素貯留源であるが,透水不良などによって劣化が進み,有機物が地中に到達しない特徴を呈していた.耕耘(こううん)をすれば土壌の細粒化によって風雨で流亡し,また有機物の分解促進に繋がる.一方自然の土壌を三次元CTで観察すると,植物根や土壌動物によって作られた粗大間隙「マクロポア」があり,土壌中の水・物質移動に多大な貢献をしていた.そこで土壌の二重間隙構造性を模した人工マクロポアを作り,劣化土壌環境を修復することを考えた.鉛直中空立坑にグラスファイバーを挿入して構造維持の効果と毛管力発現を期待し,排水不良で貧栄養の赤黄色土壌において下方浸透促進効果,有機物貯留の程度,そして植生の回復程度について評価した.

するとマクロポア区は多くの場合において,降雨に対する水分量の増加が多くなり,下方浸透促進効果が観察された.特に深さ50cmまで浸透水が到達する様子が明らかで,その違いは顕著だった.一年後に土壌炭素量を図ると明らかにマクロポア区の方が炭素量が多く,下方浸透促進効果を評価することができた.また,時間を要すると思われた植生の回復もわずか一年でその効果が観察され,植物バイオマス量は倍近くになった.増加した土壌炭素量は,0.0012g-C・g-soil-1・yr-1 つまり 7.0t-C・ha-1・yr-1 であり,草原や植林による炭素増加と同程度の効果があることが明らかになった.なお,もともとが排水不良で貧栄養であったため,初年度に大きな値がでた可能性があり,継続した調査を続けている.

日本語原稿執筆者:森 也寸志(岡山大学 環境生命科学研究科)
(敬称略)